肩の痛み(いわゆる五十肩)

症例報告です

1ヶ月ほど前から右肩の痛みがあり、いわゆる五十肩で肩が上がらない(疼痛にて)
外転(横に上げる)屈曲(前側に上げる)両方の動きともに肩関節〜上腕にかけての痛みが出現。
日常生活にも影響が出現しており特に髪も洗う際に痛みを伴うとのことでした。
また寝返りも際にも疼痛が発生している状況。

五十肩の典型的な症状が出現していました。

その他、肩関節以外の関節の動きにも目を向けると頚椎、胸郭、股関節、仙腸関節の歪み等肩関節に影響している部分が多いと判断しました

とはいえ、まずは局所的に痛みの強い肩から施術していくことにしました。
局所的な痛みを少しでも減らしていき施術の中で全体感との生合成を合わせていこうと思いました。

さて、肩関節の関節面の中でも挙上外転時の転がり運動が潤滑不全のために起こっていないことと肩甲骨、肋骨周りとの連動性が取れていないことと判断しました。


特に肩関節には非荷重状態(肩関節に牽引力及び陰圧)が発生し僅かなキャビテーションの連続で強い痛みを起こしている。


また、筋肉に求心力が肩関節に働いていないために潤滑不全は発生する状態
まずは、潤滑不全に対して関節の内圧を正常化していき関節油(潤滑剤)を増やしていきます。その際には、肩関節と上腕骨の軸を合わせて面圧をかけていきます。


加圧することにより非荷重を取り除いていきます。
加圧しながらの運動も重要です。

ポンプ作用を働かせる意図があり関節油を関節全面に届けることができます。

軟部組織的な見解では、三角筋前繊維と上腕二頭筋の滑走不全が発生し強力な癒着とまではいかないですが癒着を起こしていると判断しました。

癒着に関しては、持続的な圧力を加えて筋脱水を起こしている組織を回復させていかなければなりません。

また、肩関節の筋群は、表情筋との関連性が考えられるので無理な処置で苦痛に顔を歪めると肩にも影響するので気をつけたいところです。

施術後は、頭を触れる程度に挙上が可能になり、元の角度よりも挙上、外転ともに可能になっていました。

しかし、一度の処置ではなかなか前進せずに3歩進んで2歩下がるということもしばしば。

引き続き経過観察をしていきたいと思います。

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