【指の痛み、引っかかりでお悩みの方へ】ばね指かもしれません
「ばね指」は、指の腱鞘炎の一種で、別名「弾撥指(だんぱつし)」とも呼ばれます。
指を曲げ伸ばしする際に、腱が腱鞘というトンネルのような部分を通りますが、この腱や腱鞘が炎症を起こして腫れたり、腱にコブのようなものができたりすると、腱がスムーズに動かなくなります。


その結果、指を伸ばそうとすると引っかかって、まるでバネのように「カクン」と跳ねるような動きをすることがあります。
ひどくなると、指が曲がったまま伸びなくなったり、伸ばす際に強い痛みを感じたりすることもあります。
主な症状
・指の付け根の痛み: 手のひら側の指の付け根あたりに痛みが出ることが多いです。※押すと痛むこともあります。
・指のひっかかり: 指を曲げ伸ばしする際に、途中で引っかかるような感じがします。
・カクンという動き: 無理に伸ばそうとすると、バネのように急に伸びることがあります。
・指のロッキング: 指が曲がったまま、または伸びたまま動かせなくなることがあります。
・朝のこわばり: 朝起きた時に指がこわばっていることが多いです。
・しこり: 指の付け根に小さな硬いしこりのようなものが触れることがあります。
一般的な治療法
治療法は、症状の程度によって異なりますが
保存療法
・装具(スプリント): 指の動きを制限するために、装具を装着することがあります。特に夜間に装着することが多いです。
・薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、湿布や塗り薬、内服薬(痛み止めや炎症止め)などが用いられます。
・ステロイド注射: 腱鞘内にステロイド薬を注射することで、炎症を抑える効果が期待できます。
・リハビリテーション: 症状が落ち着いてきたら、指のストレッチや運動療法を行うことがあります。
手術療法: 保存療法で改善が見られない場合や、症状が重い場合には、手術が行われることがあります。
手術では、腱鞘の一部を切開して腱の通り道を広げます。
当院での症状の考え方と治療法
屈筋腱が肥厚してくる理由として考えられること
①体幹(頚椎)のズレや歪みが発生する
頸椎にずれがあると上腕〜前腕にかけて影響が出て、特に上肢レバーアームが長くなる
レバーアームとは、テコのことです。つまりテコが大きくなるということです。
支点=頚椎
力点または作用点=指、前腕、上腕
※支点から力点または作用点までの距離のことでレバーアームが長ければ大きな力となる為、体への負担は大きくなります。
うまく体幹(頸椎)⇔肩関節⇔肘関節⇔手関節⇔指関節この相互関係が崩れてしまい本来必要な動作に制限がかかります。
②使いすぎ(過剰な負荷)特に重たいものを持つ場合が多い時、重さに伴い遠心性の(体から遠ざかる力)力が屈筋腱にかかる
レバーアームは、小さい方が良い(体の中心から近い)大きくなると負担が大きくなります。
結果的に本来かからなくて良い力が屈筋腱にかかります。
支点からの距離が遠くなり同じ力を出すためには筋収縮が過剰に行われることになります。その結果筋線維が硬く肥厚してきます。
常に筋肉に牽引力や負荷の強い状態が続くことで屈筋腱が脱水を起こり脱水した筋肉は、パサパサの筋線維に変わっていき伸長率が失われて行きその後、腱の肥厚や硬化に続いていき次第に引っかかりが起こりバネ指になっていく
治療法
局所的な治療
①肥厚部を潰しながら割いて腱を元の状態に戻して行く
②屈筋腱を伸ばしたい時は、相反的に伸筋腱を使った運動療法
屈筋を使うためには、伸筋の活動性も重要になって行く
全身の治療
①骨盤の傾きを整える
②頚椎の歪みを調整する
③肘の伸屈曲
④手関節の伸屈曲の可動を出すこと
⑤前腕の回旋をスムーズにして行く
⑥手根骨の調整
どういう状態になれば不調が消えるのか
脱水して線維化してしまった筋組織にアプローチして元の状態近づける
過剰なレバーアームを無くしテコを小さくすることです